CCライセンスとは


クリエイティブ・コモンズとは

ccjp クリエイティブ・コモンズ(本部・英語)
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(日本支部・日本語)

 

Commonsphereではクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの普及に努めています。

クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)は、米国スタンフォード大学の法学教授ローレンス・レッシグらによって 2002 年 5 月に創設された、インターネット時代の新たな著作権のあり方を提案し、実現しようというプロジェクトです。

活動の背景にあるのは、著作権の過剰な保護と行使から起こる数多くの問題です。現在米国では、例えば映像作品を 1 本撮影しようとする際に、「著作権のあるものが画面に映ってしまっていないか」「 BGM に使いたい音楽の著作権はだれが所有しているのか」等々確認しなければならないハードルがあまりに多く、見落としていた著作権者に訴えられることを恐れ作りたいものが自由に作れないという、本来人間の創造性を高めるはずの制度であった著作権制度が逆に創造性を妨げるという状況が現実のものになっています。

特に本来的に再配布や再利用が容易であるデジタルのデータと、それを容易に流通させることができるインターネットが普及を始めてからは、そうした問題が一気に表面化してきています。現状では、著作物の違法な利用や流通を阻止するために、「デジタル著作権管理」の名の下に過剰な法規制や罰則が急速に現実化しており、数多くの新しい創造性の萌芽が圧殺されようとしています。しかし、歴史を見れば分かる通り、どんな芸術や技術も、その土台に過去の膨大な蓄積がなければ、創造されることも発展することもできません。無から生まれる創造性は存在しない、とレッシグたちは主張します。

こうした問題を解決するために、個々人が自分の表現や制作活動に対して責任を取り、その利用と流通のされ方を自ら表明することによって「創造的行為を行うための共有地=コモンズ」をインターネット上に広げていこう、というのがクリエイティブ・コモンズの目的です。彼らはその姿勢を「デジタル著作表現」と呼んでいます。

ただ、ライセンスをご覧になればおわかりになるとおり、クリエイティブ・コモンズでは本来著作権者が持っている権利の一部を意図的に放棄することで、著作物のより自由で活発な流通・利用の促進を図るという方法を取っています。ですから、クリエイティブ・コモンズを利用することで、あなたの著作物を利用する人が恩恵を受けることは多くても、あなた個人が直接に経済的な利得を得ることはまだまだ少ないかもしれません。

しかし、文化というのは本来、決して経済学が想定するような合理的な人間の行動によってのみ成立するものではありません。もちろん、実際に今日存在する文化の多くは、国家や資本企業による重要な支援によって形作られてきた部分があります。しかし、人間を人間たらしめる、本当に自由な文化というものは、豊穣な文化の育成への貢献や、自らの生み出した作品が人々に自由に利用され進化し続けていくことへの喜びといった、人々の自発的な公共性によってこそ本来は支えられるべきなのではないでしょうか。

また一方で、そうした自発的な公共性への取り組みが社会的、そして経済的な形で報われることがあってもいいはずです。無名のアマチュア・アーティストが自らの作品をクリエイティブ・コモンズで広く公開することでメジャーの世界でも存在を認められたり、公共的な価値観を持ったアーティストの活動が利用者による寄付行動や敬意の表明によって支えられるといった事例は今後増加していくでしょう。クリエイティブ・コモンズの周辺では、ライセンスの利用者がきちんと経済的に報われるようなビジネス・モデルを模索する研究も行われており、実際にクリエイティブ・コモンズを有効に活用して利益を享受する作家や音楽家などが登場しはじめています。

コモンスフィアでは、自発的な公共性の発露と、公共性に対する社会的・経済的報酬の双方が促される領域を作り出すことによって、クリエイティブ・コモンズが提案するような創造意識の普及と、ひいてはインターネットにおける全ての人々の創造性を高めることに貢献していきたいと考えています。

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ローレンス・レッシグ氏
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『フリーカルチャー』
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『コモンズ』
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『コード』